Category Archives: イラストレーション・絵日記

September—October

 

ルーブル美術館にある、聖母子のレリーフ、数年前の写真を急にかきたくなりました。とても天気の良い9月のルーブルです。たしか午前中でした。
夏のおわりから、なんだか感情の起伏のいそがしい毎日です。
先週は、小学校の頃からの友人の結婚式がありました。
新郎新婦の人柄そのままの、笑顔に溢れた披露宴。家族のことも小さいときから知っているので思いもよらない色々なところで感動してしまった。
お祝いにと思って描いた絵を、みんなへのメッセージカードにしてくれていて、ほんっっとうに嬉しかった。ありがとう。
そして、大学4年の時からアルバイトをしていたセレクトショップの先輩の結婚式。新婦である先輩は、姉御肌でいつもみんなをもりあげてくれて、でもとても繊細で女性らしくて。大好きな先輩です。
本当に幸せそうな新郎新婦のおふたりでした!
お店のみんなと一緒に撮った写真から。お店のセレクトもお客さまと話すのもとても好きでした。バイトということにとらわれずに接してくれる先輩たちがいたことで誇りを持ってお店にいられて、当時も私はほんとにまわりの人に支えられていたなと思います。みんなでいる雰囲気が懐かしかったです。
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そして、展覧会のメモ
「フレデリック・バック展」東京都現代美術館
想像以上にすばらしかったです。これまでのバックさんの人生をたどっていくような展示で、ものすごい数の作品が見られました。
絵画、絵本、アニメーション、イラストレーション、テレビと幅のある仕事をされていますが、きちんとその都度相手が必要なものをバックさんにしかできない表現で生みだしていました。とにかく描いて描いて、描いて生きている人なんだとおもいました。
上のポストカードは、すべてアニメーションの仕事のセル画です。膨大な数の手描きのセル画がだーっと並んでいて、スクリーンではその作品が流れていて。自分が美術館に一体何時間滞在していたのかわかりません(笑)自然や生命への慈しみの気持であふれた絵の数々でした。
「モーリス・ドニ いのちの輝き、子どものいる風景」

原画の色が、とくにピンク色本当に綺麗でした。ピンクにもいろいろな色があって。
子供のいる風景や聖母子のモチーフが個人的に好きなので、たまらない企画でした(笑)こちらはまだ開催中です!
いろいろな幸せをもらって、刺激をうけて、わたしもがんばる。

Birthday Cakeの製作♪

 銀座Swing Cityという歴史の長いジャズクラブに行ってきました。

こんなに至近距離からライヴを楽しめる空間です!(わたしは、このカウンターの一列後ろで聴きましたが・笑)
沖野ゆみさん(Vo)
池田雅明さん(Tb)
堀秀彰さん(Pf)
生沼邦夫さん(B) 
井川晃さん(Ds)
ヴォーカリスト、沖野ゆみさんが今月お誕生日を迎えられ、そのBirthdayお祝いを兼ねたLiveでした。実は事前にご依頼があり、沖野さんのバースデーイラストレーションケーキ(!?)を制作させていただいたのです。
スチロールの土台を接着して形をつくり、そこに絵の具でペイントして3段のケーキに見立てました。
小休憩後の2セット目に、ロウソクに火をつけて沖野さんに直接お渡ししに行くという大役をつとめさせていただきました!つたない解説やメッセージに、優しく耳を傾けて下さった出演者のみなさん、お客さま方、どうもありがとうございました。
とても素敵な時間でした☆やっぱり生演奏の音をその場で聴けるのは最高です。
立体製作、初めてでしたが、ケーキというテーマのおかげでとてもすんなりと、楽しみながら作業がすすみました。アクリルケースに入れると、こんな雰囲気に。

ショートトリップ

 

写真はただいま制作中の立体。まだまだ未完成、これからです!
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夏の週末ショートトリップ、10年ぶりくらいの軽井沢へ。どこを見ても植物がのびのび育っていて、大自然にかこまれてきました。
軽井沢町長倉にある、「ムーゼの森」
エルツおもちゃ博物館の前の植え込みには、緑がたくさん。どれもスクスクと背が高く、花の大きさも東京の倍くらいあるような・・・。小動物が飛び出してきそうでした!
エルツおもちゃ博物館にて、ドイツの手仕事・木製ひよこ。手の平にすっぽりおさまるサイズです。
博物館の建物には、木製の大きな操り人形(?)や動物のおもちゃが置いてあります。右の人形、身長が80センチくらいあった気がします。うさぎも案外大きく、40センチくらいの背の高さ。どれも、目のペイントに白い色が入っていて、キラっとした瞳が魅力的でした。
ムーゼの森から少し離れたところにあるのが、塩沢湖を中心としたタリアセンの森。レイモンペイネの美術館や、フランス文学者の朝吹登水子さんの別荘を移築した場所もあり、とても広くて開放的。一日のんびりすごせてしまいそう。
湖のむこうには針葉樹の林が広がって、なんだか外国にいるみたいでした。ボートが優雅。
湖にはこんな風に、木のブリッジがかかっていたり。「くまのプーさん」絵本にでてくるプーの橋みたい。
森の近くにあるタリアセンコーヒーのお店で買った豆、「KALOSSI TORAJA」
煙突のようなパッケージに惹かれます。すっきりして美味しい珈琲です!
夜に散歩した旧軽井沢にて。レースやさんのウィンドウにあった、懐かしいレース編み。
夏のおもいで、ポロポロポロ

hakoのなかに

 はこのなかには・・・

コンニチハ
紙とはまたちがうものに描くのも面白いです。
世田谷パブリックシアターで上演中の「ベッジ・パードン」みてきました。
当日券、しかも久し振りの立ち見でしたが、本当に面白かった!!
三谷幸喜さん作、演出の、おもしろくて、ほんのりせつない物語です。
夏目漱石がイギリスに留学していたときの逸話をからめたフィクション。面白いシーンでたくさん笑って、でもふっとシリアスなところが自然に顔をだしてきて、ハートをがっしりとつかまれました。5人のお芝居ですが、それぞれのキャラクターがみんな人間らしくてきゅんとします。
「I beg your pardon? 」がなまって「bedge pardon?」にきこえたことから、漱石がお手伝いのアニーにつけたあだ名が「ベッジ・パードン」。実在の女性のようで、当時の漱石の日記や手紙に度々登場するのだそうです。
それにしても。浅野和之さん、おじいさんから貴婦人から愛犬まで、ひとり11役、すごい。手足が長くて、ルパン3世みたいでした!

Twelfth night & Clockwork ORANGE

シェイクスピア原作の『十二夜』、アンソニー・バージェス原作の『時計仕掛けのオレンジ』(キューブリックの映画が有名かしら)
同じ時期に観たふたつの舞台は、テイストは全くちがうけれど、どちらもファンタジックな世界の演出がされていて、きゅんとしました。
『十二夜』の、執事のマルヴォーリオ。
鎖のようにつながる片想いの連鎖がとかれ、双子の兄と妹も再会、物語が幸せな大団円をむかえるときも、最期まで救われないキャラクター。嘘の手紙でからかわれ、有頂天になってにわとりの格好をして、そのせいで愛するひとからは狂人だと思われて閉じ込められて。おもしろおかしく描かれているけれど、最期まで可哀想。シェイクスピアの物語って、こういうどこまでも可哀想で残酷な運命の人がでてきますよね。
All the world’s a stage,
And all the men and women merely players….
「世界は舞台、ひとはみな与えられた役を演じる役者にすぎない」(『お気に召すまま』より)大学の演劇学の先生がよく言っていたこの台詞、とても印象に残っています。
『時計仕掛けのオレンジ』の主人公アレックスボーイ。
悪事のかぎりをつくす彼は、その代償としてまわりの大人の身勝手な欲望の犠牲になっていく運命にあって、その苦しみにだんだんやり場のない気持になっていきます。。自業自得なんだけれど可哀想になってきてしまう。But no choice,no life…まさにダークヒーロー。
マルヴォーリオもアレックスも、最期の最期までひとりぼっちで、言葉にできないなにかが残る舞台たちでした。生の音楽と、ファンタジックな世界観の衣裳や装置にも惹き付けられます。「ファンタジー」は、春の個展で考えているテーマにリンクするので、舞台を観ていい刺激をいただけました!
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