シェイクスピア原作の『十二夜』、アンソニー・バージェス原作の『時計仕掛けのオレンジ』(キューブリックの映画が有名かしら)
同じ時期に観たふたつの舞台は、テイストは全くちがうけれど、どちらもファンタジックな世界の演出がされていて、きゅんとしました。

『十二夜』の、執事のマルヴォーリオ。
鎖のようにつながる片想いの連鎖がとかれ、双子の兄と妹も再会、物語が幸せな大団円をむかえるときも、最期まで救われないキャラクター。嘘の手紙でからかわれ、有頂天になってにわとりの格好をして、そのせいで愛するひとからは狂人だと思われて閉じ込められて。おもしろおかしく描かれているけれど、最期まで可哀想。シェイクスピアの物語って、こういうどこまでも可哀想で残酷な運命の人がでてきますよね。
All the world’s a stage,
And all the men and women merely players….
「世界は舞台、ひとはみな与えられた役を演じる役者にすぎない」(『お気に召すまま』より)大学の演劇学の先生がよく言っていたこの台詞、とても印象に残っています。
『時計仕掛けのオレンジ』の主人公アレックスボーイ。
悪事のかぎりをつくす彼は、その代償としてまわりの大人の身勝手な欲望の犠牲になっていく運命にあって、その苦しみにだんだんやり場のない気持になっていきます。。自業自得なんだけれど可哀想になってきてしまう。But no choice,no life…まさにダークヒーロー。
マルヴォーリオもアレックスも、最期の最期までひとりぼっちで、言葉にできないなにかが残る舞台たちでした。生の音楽と、ファンタジックな世界観の衣裳や装置にも惹き付けられます。「ファンタジー」は、春の個展で考えているテーマにリンクするので、舞台を観ていい刺激をいただけました!
6 Comments
マルヴォ-リオ、アレックスのイラスト素敵ですね!
シェイクスピアの授業なつかしい。。
ファンタジー映画にはお決まりの、白塗りのキャラクター(ウィリー・ウォンカとか)や怪しい仮面とかってすごい惹かれる。
春に個展やるんだね★楽しみ!!
「時計仕掛けのオレンジ」は河原雅彦演出、小栗旬主演のだよね?私も行きました!
趣向が面白かったよね。
marikoさま
ありがとうございます。
舞台をみた印象で描いた絵なので、想いが伝わったようで嬉しいです!
なっちゃん
懐かしいよね。。なっちゃんと一緒だったのは日吉の大教室の授業だったよね。わたしも、白塗りとか仮面とか大好き(笑)ワクワクする。ティムバートンも大好き!!
まつきよさん
そうなんだ!!うんうん、演出も役者さんたちも、あの世界観にとってもはまっていたように思ったよ。ファンタジックにしてくれて、少し救われました。